ドローンと天候|安全な⾶⾏のために知っておくべき気象現象
この記事では「ドローンと気象」についてわかりやすく解説した記事になります。
ドローンを飛ばす場合、自然豊かな場所ではもちろんのこと、それが都市部であったとしても、天候や周囲の地形、風や気温など、常に自然環境と隣り合わせと言えます。
ドローンは精密機器であり水分やほこりから強い影響を受けまた電磁障害はドローンにとって大敵であります。
よって飛行前には気象情報を入手し安全航行を行う必要があります。
安全に飛行させるためにも、機体の動きや機材への影響を把握しておきましょう。
①|雲と降水について
雲には10種雲形と呼ばれる10種類の雲の形があります。
大きく上層雲・中層雲・低層雲の3種類からいろいろな雲があります。
上層雲3種類|10,000m以上
- 巻雲
- 巻層雲
- 巻積雲
中層雲3種類|5,000~10,000m
- 高層雲
- 乱層雲
- 高積雲
低層雲4種類|5,000m以下
- 積雲
- 積乱雲
- 層積雲
- 層雲
層雲系の雲では連続的な雨が、
積雲系であれば断続的でしゅう雨性の降
②|風について
ドローン飛行中は当然ながら常に風の強い影響を受けています。
通常は「GPS」など各種制御機能で安定に飛行することが出来ます。
しかし突風等により予期せぬ事態が起こる可能性があるので風に対する知識が必要になります。
a. 風と気圧
空気は、気圧の高いほうから低いほうに流れます。
この流れが「風」になります。
「風」は、空気の水平方向の流れをいい、風向と風速で表します。
等圧線の間隔が狭いほど風は強く吹きます。
b. 風向
風向は、風が吹いてくる方向になります。
「北風」は「北から南に向かって」吹く風をいいます。
風向は360度を16等分し、北から時計回りに北→北北東→北東→東北東→東のように表します。
c. 風速
- 風速:観測時間前の10分間における平均風速
- 最大風速:平均風速の最大値
- 最大瞬間風速:瞬間風速の最大値。
風速は空気の動く早さ、メートル毎秒(m/s)で表します。
風は必ずしも一定の強さで吹いているわけではありません。
風は地面の摩擦を受けるので、一般的に上空の方が風は強く地表に近づくにつれて風は弱くなります。
変化の度合いは地表の粗度(樹木や建物などによる凸凹)や風速の大きさによって変わります。
一般に地表の粗度が大きいほど、高さによる風速の変化は大きくなります。
地上では風が弱くても上空では…
地上では風が弱いと思っても、上空では強風の場合もあります。
また地形によっても風の流れは大きく変わります。
風を読むには様々な現場でドローンを運用すると、経験で掴めることも多々あります。
d. 突風
低気圧が接近すると、寒冷前線付近の上昇気流によって発達した積乱雲により、強い雨や雷とともに突風が発生することがあります。
日本付近では、天気は西から東に変わるため、西から寒冷前線を伴う低気圧が接近するときは、突風が発生する時間帯を予測することができる。
e. 海陸風
「海」は暖まりにくく冷えにくい、
「陸」は暖まりやすく冷えやすい特徴があります。
そのため日が昇り、昼近くなると陸上の空気は早く暖められます。
暖まった陸上の空気は上昇気流となり海上の冷たい空気が陸に流れ込みます。
これが海風です。
その後陸側の放射冷却により陸の気温が下がり海に向かって風が吹くのが陸風です。
凪
海風と陸風が切り替わる時間帯に一時的に無風状態になることを凪(なぎ)といいます。
風が入れ替わるときには、ほぼ無風状態になり、「朝凪」「夕凪」と呼ばれる。
f. 山谷風
山岳地帯に現れる風の一種です。
昼間は、日射で暖められた空気が谷を這い上がる谷風が吹き、夜間は冷えた空気が山から降りる山風が吹きます。
g. 風力
風力は、気象庁風力階級表(ビューフォート風力階級)により、風力0から風力12までの13階級で表します。
DJIのドローンの風速抵抗性能はビューフォート風力階級で表示されています。
一度上記動画で風の強さのイメージを持っておくと良いです。
h. ビル風
高層ビルや容積の大きい建物などが数多く近接している場所及び周辺に発生する風です。
強さや建物周辺に流れる風の特徴により分類されます。
剥離流、吹き降ろし、逆流、谷間風、街路風などあります。
ビル風は周辺の風より風速が速く継続して吹く傾向があります。
建物群の配置や構成によって吹く風の種類が異なります。
中々都心部でドローンを運用する機会はないと思いますが、都心部ならではの風があることを把握しておきましょう。
i. ダウンバーストについて
「ダウンバースト」とは、積乱雲や積雲内に発生する強烈な下降流が地表にぶつかり、水平方向にドーナツ状に渦を巻きながら四方に広がってゆく状態を指します。
その大きさは大小異なり、数100mものもあれば10km規模のダウンバーストもあります。
その中でマイクロバーストと呼ばれるものは、直径が4km以下の下降流。
範囲は小さいですが、下降流はダウンバーストより強烈なものがあります。
ダウンバーストの発生時間は数分〜10分程度のものが多く、通常の観測網では探知されない局地的なものでもあります。
風速計|ドローン操縦士の必需品
風によるドローンの操縦リスクを管理するため、「風速計」などを携帯しておくとよいでしょう。
3,000円以内で購入できますよ。
(2)気象が与えるドローンへの影響
各ドローンの性能にもよりますが、運用可能な動作環境は決まっております。
たとえ運用可能な範囲内でも低温時・高温時でドローンが受ける影響は変わってきます。
冬場の注意点|気温が低い場合
バッテリーの飛行可能時間が普段より短くなる可能性があります。
またバッテリーの電圧も低くなりやすいので、ドローン電源を入れたらしばらく放置して、バッテリーが温まるのを待つか、飛行してもその場で数分ホバリングをさせて暖機運転させるとよいでしょう。
雪が降りそうなほど低い気温の中、いきなりドローンを全力でフライトさせると墜落リスクが高まります。
慎重に運用させることをおすすめします。
事前にバッテリーを温めておくことも対策のひとつになります。
保温性の高い収納ボックスにバッテリーとホッカイロなどを収納しておくと、おすすめですよ。
夏場の注意点|高気温の場合
逆に気温が高い場合、バッテリーへ負荷がかかりやすいです。
地表面が暖められると上昇気流が発生するため、広い面積の太陽光パネルやアスファルト・コンクリートの地面が多い市街地は注意が必要になります。
高温化で使い続けると寿命を縮めてしまう場合もあります。
私自身の恥ずかしい経験ですが、夏場の1シーズンだけで、バッテリーが膨らみすぎてしまい、駄目にした経験があります。
つむじ風
広い運動場のような場所では、強い日射により上昇気流がおこり「つむじ風」が発生する可能性もあります。
安全のための気象状況の確認と飛行の実施の判断
雨や霧の影響
雨や霧の影響は現在市販されている小型のドローンは防滴環境に無く水分や湿度の影響を大きくうけるため飛行は出来ません。
霧の中でドローンを飛ばすと一瞬で視認できなくなります。
雷の影響
大気中の放電現象のため強い電磁ノイズがあり電磁障害を引きおこします。
したがって落雷の恐れがある場合は事前に察知し飛行は行わない。