航空法における無人航空機の定義とドローンの歴史を解説
この記事では無人航空機の飛行の安全に関する教則、「3.1 航空法全般」上記目次部分を分かりやすく解説していきます。
ドローンの歴史
ドローンはもともと軍事目的で開発されました。
1935年にイギリスで開発された「Queen Bee」が最初の無人航空機とされています。
1940年にアメリカで開発された「Target Drone Denny1(訓練用の標的となる機体)」が、Drone(ドローン) と呼ばれる起源です。
その後も無人偵察機や無人攻撃機として開発が進んでいます。
当初は民間での利用としてドローンの開発は世界的には進みませんでした。
高温多湿で害虫の被害を受けやすい日本では 1980年頃から農薬散布方法の改善の研究が始まり1987年にヤマハが「R-50」を開発しました。
現在はヘリコプタータイプに加えマルチコプタータイプのドローンでの農薬散布も行われています。
ドローンの定義
ドローンとは、無人航空機のことです。
無人航空機(ドローン)は「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」とも呼ばれています。
これらの無人航空機は、遠隔操作やプログラムによって飛行することができ、さまざまな用途に使われています。
たとえば、写真や映像撮影や商業物流などに使われることがあります。
また軍事目的でも使われることがあります。
そしてその定義は以下となります。
航空法における無人航空機の定義
無人航空機の飛行の安全に関する教則より引用
- 航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、
- 遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものであり、
- 重量が100g以上のものを対象としている。
航空法における「無人航空機」の定義は上記の通りです。
100g以上の空を飛ぶものが「無人航空機」って感じですね。
「構造上人が乗ることができないもの」とは?
単に人が乗ることができる座席の有無を意味しているわけではありません。
その機体の大きさや潜在的な能力を含めた構造、性能等によって決まります。
航空機の場合
「航空機」とは、人が乗ることができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船を対象としています。
仮に人が乗り組まないで操縦できる機体があっても、航空機に分類される場合があります。
例えば飛行機を改造したものや、航空機に近い構造、性能等を有している場合は、無人航空機ではなく航空機に分類されます。
無操縦者航空機とは?
操縦者が直接機体に乗らずに飛行することができる航空機を「無操縦者航空機」といいます。
気球やロケットは航空機でも無人航空機でもない
ややこしいですが、気球やロケットなどは航空機や無人航空機にも該当しません。
「遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」とは?
極端な例ですが、紙飛行機のように遠隔操作や自動操縦できないものは無人航空機ではありません。
機体重量は100g以上が規制対象
「重量」とは、無人航空機本体の重量+バッテリーの重量の合計です。
プロペラガードは重量に含まない
重量:機体本体の重量+バッテリーの重量の合計
ですが、プロペラガードは重量に含まないの?と思うかもしれません。
バッテリー以外の取り外し可能な付属品の重量は含まれません。
100グラム未満のドローンはおもちゃ扱い
100g未満のドローンは無人航空機ではなく、「模型航空機」に分類されます。
要は100g以下のトイドローンはおもちゃ扱いということです。
注意|Amazonで気軽に買えるトイドローン
Amazonで気軽にトイドローンを購入することができますが、屋外での飛行は絶対にやめましょう。
100g未満のトイドローンは、軽すぎて微風でも風に流されます。
初心者は予期せぬ方向に流されてしまうリスクがあります。
またAmazonで販売しているものでは100g以上のものをトイドローンとして販売している場合もあります。
おそらくトイドローンを購入する多くの方は航空法の規制対象の有無など気にせずおもちゃとして認識していることでしょう。
100g未満のトイドローンと思って屋外で飛ばしていると、航空法に抵触する恐れがあります。
基本的に1万円程度で購入できるホビー系のドローンは室内での練習のみにしましょう。
室内であれば100g以上でも航空法に抵触しません。
トイドローン(100g未満)でも規制場所はある
じゃあ100g未満は航空法上ドローン扱いにならないからどこでも飛ばせるじゃん!
そう思うかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
100g未満のトイドローンでも運用できない場所があります。
重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律において規制対象となる「小型無人機」については大きさや重さにかかわらず対象となり、100グラム未満のものも含まれます。
要は空を飛ぶラジコンってだけでアウトってことですね。
東京の公共施設など人が多い場所だとどんなに小さいドローンでも、迷惑になるという解釈です。
練習はシミュレーターもおすすめ
何かと規制の多いドローンですが、独学で訓練を積みたいならフライトシミュレーターを活用するのもおすすめです。
シミュレーターであれば、ドローンを壊す心配もありませんし、自宅で何時間でも練習できます。
何かと規制だらけのドローンは気軽に練習できる環境作りが大切です。
無人航空機は3種類ある
無人航空機には飛行機型・マルチローター型・ヘリコプター型の3種類があります。
以下の記事「4.1 無人航空機の機体の特徴(機体種類別)」それぞれの特徴について紹介しております。