基礎知識

【ドローンの飛行原理】なぜ360度自由自在に飛行することができるか解説

【ドローンの飛行原理】なぜ360度自由自在に飛行することができるか解説
waikler

今回はドローンの飛行メカニズムについてご紹介させていただきます。

まずドローンの説明に入る前に飛行機がなんで飛ぶかを簡単ですが、説明します。

吉武編集長
吉武編集長

空を飛ぶために必要な「揚力」について学ぼう

ドローンと揚力

飛行機の翼は図のような形をしています。

図のように翼に空気が流れることで、翼の上側と下側で圧力に差が生まれます。

翼の「下側」が「上側」より圧力が高くなるため、その圧力差で上に押し上げられる力が働きます。

このことを「揚力」と呼びます。

飛行機が空を飛ぶことができるのはこの「揚力」の力を得ているからです。

そして翼の上の流速が大きいほど、「揚力」は大きくなります。

ではどのように「揚力」が働けば空を飛ぶことができるのか?

図のように飛行機の翼に対して、「前」から「後ろ」に流れる風が必要になります。

その風を送るために飛行機が行っているのが、ジェットエンジンでプロペラを回すことによって、翼に空気が当たり続けるように進み、「揚力」を得ているのです。

しかし、揚力を得るためには飛行機は一定速度以上を出す必要があります。

そのため、飛行場は長い滑走路があり、しっかりと加速した上で、飛んでいるのです。

「揚力」は風が当たれば当たるほど、空気の速度が速いほど、強くなります。

かなり大雑把な説明ですが、物が「空を飛ぶ」には「揚力」が必要になります。

ドローンが安定して自由自在に飛行する理由

飛行するドローン

先ほど説明した「揚力」が必要になるのですが、ドローンの場合は4〜8枚の回転翼を使用して「揚力」を得ています。

図は翼の回転方向と番号です。

ドローンを空中に浮かすためには4つのプロペラを回します。

プロペラは回転することで「揚力」が発生します。

プロペラは回転することで「揚力」が発生します。
吉武編集長
吉武編集長

上の図は4枚のプロペラを持つドローンの回転方向です。

プロペラもよく見ると「飛行機の翼」ととても似た形をしております。

形こそ飛行機とは異なりますが、モーターの力でプロペラを回転させることで、圧力差が生まれ、「揚力」が発生します。

これはヘリコプターも同じです。

ただし制御方法は異なりますが・・・

そして理屈で言えば4枚のプロペラが均等の力で持ち上がれば、ドローンは浮くことになるはずです。

揚力を得るローターをローターは隣のローターと反対方向に回転します。

ローターの回転方向は、時計回転(CW:クロックワイズ)と反時計回転(CCW:カウンタークロックワイズ)の方向で構成され、反トルクによりの機体の回転バランスを保ちます。

これによって反トルクを相殺して安定した飛行が可能になります。

全ローターを水平に回転し、揚力を生むのです。

吉武編集長
吉武編集長

モーター性能を同一とした場合、ローターの数が多いほど故障に対する耐性が向上し、ペイロード(積載可能重量)が増えます。

ドローンはどうやって自在に飛んでいるの?|プロペラの回転数を変化させている。

先ほどはなぜ飛行機が飛ぶのか、ドローンが飛ぶのか、「揚力」についてお話ししました。

それではドローンはどうやって前進したり、左右に移動したり、旋回をしているのでしょうか?

これはとてもシンプルですが、複数のプロペラの「回転速度」を調整することで、すべての操作を行っています。

まずはその場で浮上する「ホバリング」から説明します。

機体重量と揚力が釣り合い、対地高度が安定した状態を継続するとホバリングとなります。

「ホバリング」はプロペラの回転により生まれる「揚力」と機体の「重量」が釣り合うことで成り立っています。

エレベーター|ドローンが「前進」する場合

エレベーター|ドローンが「前進」する場合

プロペラ前方に比べ後方の方がプロペラの回転が「速く」なることで、機体の前方と後方に「揚力」の差が生まれ、後方の方が「高く持ち上がる形」になります。

そのためドローンが傾き、前に進む形になります。

ちなみに前進することを「エレベーター」と呼びます。

エルロン|「左へ移動」する場合

エルロン|「左へ移動」する場合

これも「前進」する理屈と同じになります。

ドローン左側のプロペラの回転数を「速くする」ことで左右に「揚力の差」が生まれ、ドローンは右側に傾きます。

そのため、右側へ移動することができるのです。

なおドローンを左右に移動することを「エルロン」と呼びます。

左「旋回」する場合|ラダー

左「旋回」する場合|ラダー

ローターの反トルクバランスを崩すと機体の水平回転が始まります。

この場合は図のように右周りのプロペラの回転数が左回りのプロペラの回転数を上回ると、機体全体が左へ旋回します。

対角線にあるプロペラの回転数を変化させることで旋回する方向がかわるのです。

揚力を得ている状態で、右もしくは左回転を指示すると、指示した回転方向のローターの回転数が下がりトルクバランスが崩れ回転が始まります。

なお旋回する動きを「ラダー」と呼びます。

ササモモさんのドローンの飛行メカニズムの解説

ササモモさんの方がわかりやすいです(^_^;)

スロットル

プロペラの回転数を調整することでドローンはその場で上昇したり、下降することができます。

ドローンが上昇するときをスロットルを上げる、下降することをホバリングを下げるといったように表現します。

ヘリコプターの飛行原理|なぜ操縦は難しいのか?

ヘリコプターの飛行原理|なぜ操縦は難しいのか?

ヘリコプターの場合は、大回りのメインローター(赤印)を回転させるとヘリ自体が反対側に回転してしまうため、テールローター(紫矢印)を回転させることでバランスを取っています。

さらにヘリコプターの場合は前後左右の移動などでメインローターに角度がついてしまうため、操縦が複雑になります。

そのため、ラジコンヘリコプターは操縦難易度がマルチコプター型のドローンと比べて難易度が高くなるのです。

ただ操縦上達にはとても役に立ちますので、操縦の練習のため購入してみるのもありです。

手のひらサイズのおもちゃ程度のもので5000円前後で購入できます。

マルチコプター型ドローンの欠点|プロペラが一つでも止まると墜落する。

8枚羽のドローン

今原理を説明した通り、4枚翼のドローンはそれぞれ作用し合うことによって揚力を生み、自由自在に飛行ができます。

そのため6枚羽や8枚羽のドローンなんかの存在も見逃せないのです。

逆に1枚でもプロペラが機能しなくなると「墜落」してしまう

ただし、羽の枚数がもっと多いドローンの場合は、万が一1枚の羽が故障しても墜落しないようにできているものもあります。

飛行機の場合はエンジンなど動力を失っても翼が「滑空」してくれるので、その後のトラブルシューティングが多少はできます。

ヘリコプターの場合は、降下していくときの力を利用することでメインのローターを回転させ、揚力を得ることができます。

まとめ

簡単な解説だったので、少し理解しづらかったかもしれません。

「揚力」によって機体が持ち上がるということ。

4枚のプロペラの回転数を変えることで、「揚力」の差が生まれ、「機体が傾いて移動する。」というような認識と思ってもらえれば良いかと思います。

しかし、「揚力」の概念やドローンの仕組みを簡単にでも理解しておくことで、安心・安全な飛行ができるものです。

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吉武穂高
吉武穂高
編集長
ドローン操縦時間500時間超。日本全国の絶景を空撮しております。日本一わかりやすいドローンメディアとして丁寧な編集を心がけていきます。DRONE WALKERは国土交通省HP掲載団体です。
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