【海上空撮】船の上でドローン空撮するために注意すべき7つのポイント
今回、空撮(安全管理)のお仕事で船上からの空撮を行いました。
クルーザーの空撮を行いましたが、その時いろいろ気づくことがありましたので、シェアいたします。
船の上からドローンを飛ばす7つのポイント
- 風の強さに注意する
- 波の強さに注意する
- 離陸ポイント選びに注意する
- ドローンの機種選びに注意する
- マイクロ SDの切り替え
- ハンドキャッチの技術は必須
- ドローンと被写体の距離感に注意する
ドローンを海で飛ばす時、いくつか注意点がありますので、ひとつずつチェックしていきましょう!
ポイント①|風の強さに注意
これは言わずもがなですよね。
強風になればなるほど、ドローンの運用には注意が必要になります。
概ね風速5m以上から注意が必要になってきます。
また行きは向かい風、帰りは追い風と行った場合、行きと帰りではドローンに与える影響が全く違います。
後述しますが、ドローンも大きさやモデルによってパワーが違います。
あまりの強風下では、スポーツモードを使用しても戻ってこれない場合がありますので、風の強さには十分に注意しましょう。
風速計の携帯は必須
ポイント②|波の強さに注意する
次に波の強さです。
後述しますが、船上で気を使うポイントの一つが『ドローンの離発着』です。
波が強く、船そのものが揺れが大きい場合、ドローンの離発着には注意が必要です。
また海域などによって船酔いの可能性も高くなりますので、船に乗る前に必要があれば酔い止めなんかも飲んでおいた方がいいかもしれません。
ポイント③|離陸ポイントは広い場所がおすすめ
一口に船と言っても、その大きさは全く違います。
そのため、ドローンを離陸させるポイント選びには十分に注意をしましょう。
船はたとえ停止していても、波の揺れなどで多少動きがあります。
そのため、離陸直後など近くに椅子や機材、船体などがあれば、接触する可能性があります。
可能な限り、周囲に障害がなく、ひらけた場所を選択するとよいでしょう。
場所が狭い場合はハンドリリースなどの技術を習得できるとよいでしょう。
ドローンの離着陸は必ず『船を停止』すること
船の上は波や風、場所が狭いなど通常の地面と比較して様々な制約があります。
ドローンを離着陸させるときは必ず、『船は停止』するようにしましょう。
そのため、船の操縦士ともすぐに連絡を取れる体制をつくることも重要です。
ドローンの運用に関しては、ドローンの操縦士のみならず船員自体にも理解してもらえるよう事前に説明しておくことが重要です。
ポイント④|ドローンの機体選び
ここまでお伝えして来たように、周囲が海に囲まれ、限られた離着陸ポイントの船上ではドローンの選び方も大切になります。
大型客船のように広い離陸スペースがあれば、『マトリス』や『Inspire2』などのような中大型ドローンでも離着陸に支障はないでしょう。
ただし、多くの場合そのような場所からドローンを飛ばす機会もなかなかなく、限られたスペースで実施することが多いでしょう。
その場合は、離着陸に支障がないサイズでドローンを選定する必要があります。
『MavicAIR』や『Mavic2PRO』はハンドキャッチ、ハンドリリースが比較的しやすいドローンになります。
しかし、その分、カメラ性能も中大型機と比較して劣りますし、強風下での運用には向かない部分もあります。
空撮用ドローンの種類によってメリットデメリットがあります。
求められる映像・写真のクオリティと実際に離着陸できるポイントなどのバランスを十分に注意して実際に使用するドローンを選択すると良いでしょう。
Mavic2PROなどコンパクトなドローンがおすすめ
『Mavic2 PRO』を初めて飛ばす方向けにYouTubeで解説しています。
小型でパワフルな飛行ができますので、今ドローンを購入するなら断然おすすめのモデルになります。
ポイント⑤|マイクロSDはマメに切り替える
ドローンの空撮においてとても重要なのは『撮影データ』です。
船の上から離着陸を繰り返す作業は通常の空撮に比べて『水没のリスク』が非常に高くなります。
水没してしまうと機体の回収も困難ですし、その中に含まれる撮影データも失ってしまいます。
せっかく初めの数フライトでいい撮影ができても、最終的に機体とマイクロSDカードがなければ意味がありません。
そのため、途中でマイクロSDカードを入れ替えてデータをしっかり確保するようにしましょう。
マイクロSDカードは128G・64Gよりも『32G』のものを数枚持って入れ替えれるようにした方がドローンに関してはコスパがいいです。(16Gは容量が少なすぎる。)
ポイント⑥|ハンドキャッチは必須スキル
6つ目は『ハンドキャッチ』です。
ここまでも度々出て来ましたが、ドローンを手に着陸させる技術です。
機種は、『MavicAIR』『Mavic2PRO』『Phantom4Pro』までならハンドキャッチ可能です。
足場が揺れ、場所の確保が困難なスペースでは、離陸よりも着陸に気を使います。
自分の使用しているドローンでハンドキャッチができないと着陸時に船や備品などにドローンの接触リスクが高まりますので、地上で十分に練習しておくようにしましょう。
確実にプロペラの接触しない場所で、センサーを避けることができる場所があります。
コツを掴めばそこまで難しくはありません。
ポイント⑦|ドローンと被写体の距離感に注意
最後に注意すべきは、ドローンと被写体との距離感です。
多くの場合、被写体は『自分たちが乗っている船』になると思います。
離着陸のポイントであり、被写体でもある船との距離感はとても重要です。
船が移動していると、つい目を離した隙にドローンがどこにいるのかわからなくなるリスクもあります。
あまり接近しすぎると衝突するリスクもあります。
もともと離陸させたポイントからドローンも船も大きく離れるケースがありますので、常にドローンをコントロールできる距離感と位置の把握はとても重要です。
理想をいえば、ドローンの操縦者と常に安全に注意する役割の人と2人以上の体制で撮影に臨むとよいでしょう。
趣味の空撮であれば、一人でもよいと思いますが、業務で撮影する場合は2人以上は必要だと今回の空撮で実感しました。
船から離着陸したドローンの空撮動画
別のロケーションですが、実際に船上から離発着させ空撮したドローンの映像になります。
時速40kmのボートの看板で操縦するのはなかなか大変でした。
空撮映像19のテクニック
- 前進
- 後進
- 横移動
- 俯瞰上昇
- 俯瞰前進
- 固定
- 上昇
- 下降
- パン(回転)
- 斜め移動
- 円移動
- 前進+上昇
- 後進+上昇
- 下降+チルトアップ
- 上昇+チルトダウン
- 低空飛行
- 対象物通過
- 前進+上昇+障害物
- リヴィールショット
実はひとつひとつの動きはそこまで難しくありません。
プロポの動きなどと合わせて紹介していきます。
【まとめ】船上空撮は難易度が高い!
これまで様々なロケーションで撮影を行いましたが、とりわけ船上からの空撮は難易度が高いと感じました。
ドローンの空撮は地上で基本訓練をすることも大切ですが、様々なロケーションで空撮を繰り返すことでどんどん上達します。
おかげさまで本当に良い経験ができました。