【無人航空機】飛行機型ドローンの運用方法と離着陸の注意点
この記事は「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の「5.2.1 離着陸時の操作」「6.3.1 飛行機」をわかりやすく解説した記事になります。
マルチローター型・ヘリコプター型のドローンはこちらの記事をご覧ください。
ドローンにはどんな種類があるの?
マルチローター型・ヘリコプター型・飛行機型
大きく大別するとドローンは上記3種類になります。
今回は飛行機型の特徴を解説します。
以下の記事も参考にしてくださいね。
飛行機型ドローンの特徴とは?
飛行機型のメリット
飛行機型のデメリット
滑走により離着陸する飛行機は、回転翼航空機よりも広い離着陸エリアが必要となります。
実際の飛行機も長い滑走路がないと離陸できないですよね。
また回転翼航空機と比べて、飛行中の最小旋回半径が大きくなります。
その場で自由に360度動き回れるマルチローター型と比べると全く違う動きをします。
飛行機の運航は、離陸、着陸共に、向い風を受ける方向から行うことが基本です。
横風の場合でもできるだけ向かい風方向で行いますが、操縦の難易度は高くなります。
追い風の離着陸は失速のおそれがあるので行わないようにしましょう。
回転翼航空機と違い、飛行機型はその場でホバリングできません。
ホバリングの代わりに上空で待機する場合はサークルを描くように旋回飛行を行います。
飛行機の場合も着陸条件が整うまで、空港の上空で旋回を続けることがありますよね。
着陸は失速しない程度に速度を下げて行うため、高度なエレベーター操作が必要となる。
民生機の飛行機型ドローンは?
100g未満の飛行機型トイドローン
室内でも遊べるような飛行機型のドローンも販売してます。
価格帯は5000〜2万円程度で購入できます。
もし本格的に飛行機型ドローンの運用を考えているなら、まずはホビードローンから徹底的に練習することをオススメします。
フライトシュミュレーターもオススメ
飛行機型のドローンはマルチローター型などと比べて種類が少ないことが欠点です。
実機ではなく、フライトシュミュレーターを使えば、いろんなタイプのドローンを操縦できます。
また機体が破損するリスクもない上、風などの条件設定もできます。
ハイブリッド型|Swan Voyager VTOL
飛行機型のデメリットである広い滑走路の確保ですが、近年ハイブリット型のドローンも登場しています。
垂直離陸ができるので、マルチローター型も飛行機型も両方の特性を上手に活かして運用することができます。
飛行機型は長時間飛行できる
飛行機型の特徴は長時間飛行できることです。
アフリカなどではドローンによる配送実験が行われています。
飛行機型ドローン|離着陸時に注意すべきこと
①離着陸地点の選定
滑走路は水平・草などが伸びていない場所を選定すること。
離陸ポイントが傾いた傾斜地では滑走中に不安定になります。
また草などが伸びているとプロペラに接触し、飛行できない場合があります。
飛行機型はマルチローター型と比べて、その場で離陸できないタイプが多いです。
運用する飛行機の大きさに応じて、離陸できる広さの滑走路を準備しましょう。
飛行機の離着陸は風向が重要
離着陸の方向は向かい風が原則です。
横風でも可能な限り、向かい風を意識して機体の向きを変えましょう。
追い風の場合は失速の危険性が生じます。
追い風で無理に飛行させようとすると、滑走路を逸脱するリスクがあります。
離陸方法
向かい風方向に滑走できるエリアを確保しましょう。
その時の風速を考慮して適切なパワーのエレベーターで上昇角度を取りましょう。
離陸したら、上昇角度は失速しないように設定することが大切です。
そして安全な高度まで機体を上昇させましょう。
着陸方法
離陸と同じく、着陸も向かい風方向に滑走できるエリアを確保しましょう。
滑走路の確保ができたら、着陸に入ります。
飛行機が地面に近づくにつれ、降下速度を遅くし、着陸で起きる衝撃をできるだけ軽減することに努めます。
もし速度が速いまま着陸すると、その衝撃で脚部が破損するリスクがあります。
目測の誤りにより滑走路を逸脱すること場合があります。
広さに余裕を持った滑走路を用意するか、補助員の監視で安全に着陸できるようしましょう。
一等|リスク軽減策を踏まえた飛行計画の立案
飛行
飛行機型のドローンはその機種に応じて説明書通りに離陸・上昇・旋回を行うようにしましょう。
飛行中断に備え、飛行経路上又はその近傍に緊急着陸地点を事前に選定する。
第三者の立入りを制限できる場所の選定又は補助者の配置を検討しましょう。
離陸及び着陸
離着陸地点は操縦者及び補助者と20m以上離れることがオススメ。
もしその飛行機の説明書に、推奨距離が記載されている場合、その推奨距離を保ちましょう。
離着陸地点は滑走範囲も考慮。
運用するドローンの大きさによって滑走範囲も変わるでしょう。
滑走路周辺には、物件から30m以上の距離が確保できる場所が理想です。
もし30m以上の距離が確保できない場合、補助者を配置して安全対策をとりましょう。
離陸後は失速しない適度な速度と角度を保って上昇すること。
着陸は失速しない程度の低速度で滑走路に確実に侵入させ、安全に接地させましょう。
一等|使用機体と飛行計画を元にしたリスク軽減策
一等ライセンス向けのお話です。
飛行機型ドローンの飛行計画において「気象、経路、緊急着陸地点の確保」が重要になります。
離着陸においては向かい風が重要で風向の予測と風向に適した滑走路の確保が必要となる。
また地上の風速も大切ですが、上空では地上と異なる風速の場合がほとんどです。
そのため上空の風速も確認できるアプリ等も上手に活用しましょう。
地上経路設定において上昇角度、旋回半径が小さくならないようにしましょう。
もし緊急着陸は滑空により行うので広範囲のエリアが必要です。
飛行機型のドローンは種類も少なく、運用方法も限られます。
人と場所を準備して臨みましょう!