【安全なドローン管理10項目】安全運行するために注意すべきこと(二等ライセンス座学②)
この記事は「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の「2.2 安全な飛行の確保」についてわかりやすく解説した記事になります。
第1回の座学は以下の記事をご覧ください。
1|ドローンの飛行計画の作成
①「機体性能✕操縦者の技量」を踏まえて飛行計画
「機体性能✕操縦者&補助者の技量」を考えて計画を立てましょう。
②慣れた場所でも必ず飛行計画を立てよう
同じ現場や何度も飛ばした場所は、慣れや経験から計画をおろそかにしてしまいがちです。
どんな場合でも必ず飛行計画を立てましょう。
③万が一の対策を想定しよう!
- 安全にホバリング・旋回ができる場所の設定
- 緊急着陸地点を設定
ドローンは空を飛ぶもの、つねに墜落や誤作動のリスクがあります。
何かあった場合の対策も考えておきましょう。
自動車のリスク管理が参考になる
まだドローンの運用は自動車ほどリスク管理が進んでません。
自動車のリスク管理の動画などをドローンに置き換えて、いろんな想定をしておきましょう。
④ 飛行計画はDIPS2.0に事前に通報しよう。
飛行計画はドローン情報基盤システム「DIPS2.0」に事前に登録しておきましょう。
ただし、あらかじめ通報することが困難な場合は事後に通報でもよいです。
DIPS2.0はもっと使いやすくなってほしいですよね。
2|飛行予定地域や周辺施設の調査
① 日出や日没の時刻等
日出から日没までの時間は事前に確認しておきましょう。
季節によって、日の出と日没の時間が大きく変わります。
② 標高(海抜高度)、障害物の位置、目標物等
③ 離着陸する場所の状況等
ドローンの離発着する場所にも注意しましょう。
場所によっては管理者の許可が必要です。
また路面の状況によってドローンの離発着に影響が出る場合があります。
④ 地上の歩行者や自動車の通行、有人航空機の飛行などの状況
Googleマップなどを上手に活用すると、交通状況などを把握しやすいです。
3|ドローンの点検
飛行前には必ず機体の点検を行い、気になるところがあれば必ず整備をしてから飛行を開始させます。
- 機体に損傷や汚れはないか?
- プロペラに傷や劣化はないか?
- ファームウェアのバージョンは最新か?
- GPSは受信しやすいか?など
ドローンの機体点検について以下の記事をご覧ください。
4|気象情報の収集
飛行前に、最新の気象情報(天気、風向、警報、注意報等)を収集しましょう。
ドローンは屋外で運用することが基本です。
天候の影響をモロに受けますので、気象情報は運用の数日前からしっかりとチェックしておきましょう。
5|地域情報の収集
地域によっては、無人航空機の飛行を制限する条例や規則が設けられている場合があります。
また立入禁止区域が設定されていたりする場合があります。
そのため飛行予定地域の情報を収集することが大切です。
京都など重要文化施設が多い場所は飛行禁止が多い。
東京は圧倒的な人口集中地域。
京都は世界中から観光客が集まる地域です。
そのためドローンの運用が厳しく制限されている都道府県があります。
6|連絡体制の確保
ドローンを運用する場合、携帯電話等により関係機関(空港事務所等等)と常に連絡がとれる体制を確保しましょう。
携帯電話の通話可能範囲を確認しておきましょう。
山奥など携帯電話が繋がりにくい環境は多いものです。
7|ドローン操縦におすすめの服装
- 動きやすい服装
- 素肌(頭部を含む)の露出の少ないもの
- 無人航空機の飛行を行う関係者であることが容易にわかるような服装
- ヘルメットや保護メガネなどの保護具の準備。
ドローンはアウトドアスポーツに近いです。
場合によっては登山をしますので、動きやすく機能的な服装がおすすめします。
8|体調管理について
- ベストコンディションで望むべし!
- 睡眠は充分に取るべし!
- 前日は飲み過ぎるな!
- 技能証明書等の携帯すべし!
①|ベストコンディションで望むべし!
体調が悪い場合は、注意力が散漫になり、判断力が低下するなど事故の原因となります。
ドローンは現場によって、歩き回ったり登山をするなどかなりの体力が必要です。
体調管理と共に日頃から体力作りをしておくことをオススメします。
②|睡眠は充分に取るべし!
前日に十分な睡眠を取り、睡眠不足や疲労が蓄積した状態で操縦しないなど体調管理に努めましょう。
③|前日は飲み過ぎるな
アルコール等の摂取に関する注意事項を守りましょう。
自動車と同じく飲酒による操縦は処罰の対象になります。
④|技能証明書等の携帯
特定飛行を行う際には、許可書又は承認書の原本又は写しを携行しましょう。
口頭により許可等を受け、まだ許可書又は承認書の交付を受けていない場合は許可等の年月及び技能証明書、飛行日誌を携帯しましょう。
9|ドローン飛行中の注意
(1) 無理な飛行をしないこと
飛行中は、気象の変化に注意しましょう。
一番わかりやすいのは「突風」などですね。
雨が降るなど天候が悪化したら飛行途中でもただちにドローンを帰還させましょう。
又は緊急着陸するなど、安全を第一に行動しましょう。
危険な状況になった場合、適切な判断できることはとても重要です。
それ以上に大切なことは危険な状況になる前にそれを察知することです。
(2)監視の実施と障害物
- 他の航空機
- ビルや家屋
- 自動車
- 電柱
- 高圧線
- 樹木
無人航空機の事故のうち、十分に監視をしていなかったことが原因で事故が多発しています。
無人航空機の飛行する空域や場所には、飛行の支障となるものが数多く存在します。
ドローンによっては障害物を検知して自動で回避する機体もあります。
しかし衝突防止装置はあくまで保険。
ドローンの性能を過信せずに運用することが大切です。
またトンビなど縄張り意識の強い鳥はドローンに追撃する可能性があります。
私のドローン仲間でトンビに墜落させられた人がいます。
飛行に際しては、周囲の監視が最大の安全対策になります。
補助者を配置する場合には、情報の共有の方法についても事前に確認。
直接、声が届く範囲にいればコミュニケーションを取りやすいですが、現場によっては補助者が離れた場所にいる場合もあります。
状況把握における誤解や伝達の遅れなどがないよう配慮しましょう。
(3) 事前に決めたルールを守るべし!
飛行中は事前に決めた飛行のルールを守りましょう。
また、法令や条例に定められたルール以外にも、ある地域において限定的に行われている地域の特性に応じたルールや社会通念上のマナーについても遵守しましょう。
10|飛行後の注意
(1) 飛行後の点検
飛行が終わった後には、機体に不具合がないか等を点検し、使用後の手入れをして次回の飛行に備えましょう。
ドローンのプロペラは何も接触してなくても、いつの間にか草や虫を切り裂いてる場合があります。
またプラスチックでできているので、少しずつ経年劣化していきます。
(2) 適切な保管
飛行の終了後には、機体やバッテリー等を安全な状態で、適切な場所に保管しましょう。
車両などにドローンを放置しておくと、バッテリーの寿命を縮める可能性があります。
(3) ドローン飛行日誌の作成
特定飛行を行った場合には、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を遅滞なく飛行日誌(紙又は電子データ)に記載しましょう。
また、リスクに対する対応が不十分と感じた場合は、反省点を整理しておくことが大切です。
今後の飛行に備えた記録も行うことが望ましいです。
この記事の動画版になります。
ラジオ感覚で聞き流しても勉強できますよ。
次の講義|ドローンの墜落原因と事故の対処方法
次回の講義は「ドローンの墜落原因と事故の対処方法」になります。
こちらの記事をご覧ください。