【実機徹底レビュー】Mavic Air2の進化点を歴代ドローンと徹底比較しました。
今回はDJIの空撮用ドローン『Mavic Air2』の特徴やカメラ性能について徹底的にレビューしていきます。
各特徴について歴代のMavicシリーズやPhantom4Proとも比較してますので、参考にしていただければ幸いです。
『DJI Mavic Air2』の製品概要
製品名 | Mavic Air2 |
---|---|
発売元 | DJI |
価格 | 単品:105,600円 フライモアコンボ:132,000円 |
発売日 | 2020年4月28日予約開始 |
カメラのセンサー | 1/2 CMOSセンサー |
有効画素数 | 最大48MP 通常12MP |
レンズ画角 | 24mm |
絞り | F2.8固定 |
動画性能 | 4K 60・50・48・30・25・24fps 2.7K 60・50・48・30・25・24fps FHD 240・120・60・50・48・30・25・24fps |
重量 | 570g |
サイズ(展開時) | 183✕253✕77mm |
サイズ(折りたたみ時) | 180✕97✕84mm |
カメラジンバル | 3軸ジンバル |
最大飛行時間 | 34分 |
飛行速度 | Sモード:19m/s・68.km/h Nモード:12m/s・ 43.2km/h Tモード:5m/s・ 18km/h |
最大風速抵抗 | ビューフォート風力5 風速抵抗:8.0〜10.7m/s |
障害物検知 | 前方・後方・下方 |
専用アプリ | DJI Fly |
バッテリー | 3セル・3500mAh・11.55V |
映像伝送システム | Ocusync2.0(オキュシンク2.0) |
おすすめポイント | Mavicシリーズ初の4K60fps HDR動画撮影はDJI初 飛行時間:34分と最長 静止画:4800万画素 アクティブトラックが進化 伝送システムが最強のOcusync2.0 価格と性能のコスパが抜群 |
では、それぞれの特徴についてレビューしていきます。
実際に『Mavic Air2』の初期設定~初飛行までをまとめた記事は以下の記事をご覧ください。
『Mavic Air2』実機操縦レビュー
実際に5回ほどドローンをフライトしてみたレビューです!
よかったらYouTube動画もみてください。
飛行性能は抜群に安定!
昨年登場した『Mavic Mini』を操縦したときにも衝撃を受けました。
199gの軽さでありながら、抜群の安定感。
Mavic Miniの登場時点で、DJIドローンの飛行安定性はさらに一段階上のレベルになりました。
Mavic Air2は570gの重量で、Mavic 2 PROと同じレベルの風速抵抗(風速抵抗:8.0〜10.7m/s)を持ちます。
小型軽量でありながら、年々ドローンの安定性は進化していることを体感できます。
映像の雰囲気はPhantom4Proに近い
Mavicシリーズですので、てっきり映像の雰囲気はMavic 2 PROに近いと思ってました。
しかしモニター越しに見る雰囲気はPhantom4Proの色作りに非常に近いと感じました。
- Mavic 2 PRO:ハッセルブラッド
- Mavic Air2:SONY
このあたりの差が出てるのだと思います。
DJI Flyのアプリが進化している
今回の専用アプリは定番の『DJI GO4』ではありません。
昨年のMavic Miniから新しくリリースされた『DJI Fly』になります。
Mavic Mini発売直後のアプリの印象は『DJI GO4』の簡易版という印象でした。
しかしMavic Air2の登場やMavic Miniのファームウェアアップロードなどにアプリの性能も大きく向上しております。
今後のDJI製品は『DJI Fly』が主流になるかもしれませんね。
操縦感覚はMavic2と少し違う
コントローラーの違いが大きいですが、スティック部分が気持ち長くなってます。
そのため、Mavic 2 PROで慣れたスティック操作とは少し異なる感覚でした。
これはしばらく操縦していればすぐに慣れると思います。
空撮作例②
『Mavic Air2』のセット内容
Mavic Air2単体
- 単品:105,600円
- Mavic Air2本体
- 専用バッテリー✕1
- 専用プロポ✕1
- プロペラ✕3セット
- バッテリー充電器
- 予備プロポ専用スティック✕1
- 各種ケーブル
フライモアコンボ
- フライモアコンボ:132,000円
- Mavic Air2本体
- 専用バッテリー✕3
- 専用プロポ✕1
- プロペラセット✕6
- 専用ショルダーバッグ
- バッテリー充電器
- バッテリー充電ハブ
- バッテリー・パワーバンクアダプター
- 予備プロポ専用スティック✕1
- NDフィルターセット(ND16/64/256)
- 各種ケーブル
予備バッテリー+ショルダーバッグに加え、今回のフライモアコンボには『NDフィルター』がセットになっております。
これはうれしい!!
『DJI Care Refresh』加入のすすめ!
- 操作ミス
- 水没
- 落下による破損
- シグナル干渉
- RTH時の衝突
などドローンの故障をサポートする独自アフターサービスです。
『DJI Care Refresh』は、購入したドローンが1年以内にの正常使用時に製品の破損が発生した場合、低価格で最大2回まで交換サービスを受けることができるアフターサービスプランになります。
詳しくは『DJI公式サイト』をご覧ください。
『Mavic Air2』はどんな人におすすめ?
ずばり!
Mavic Miniからより高画質な空撮用ドローンが欲しい方におすすめです!
価格が10万円台前半から購入できるので
Mavic 2 PROなど20万円の価格帯に比べると
購入のハードルがグッと低くなります。
それでいて『4K60fps』の映像性能と
2020年最新の飛行性能と安全性能を誇っております。
価格としては、空撮用ドローンの主流機である『Mavic2 PRO』『Phantom4Pro』が20万円程度の価格帯になっております。
『Mavic Mini(マビックミニ)』で空撮に興味を持ち、もうワンランク上の空撮機が欲しい!
しかし、Mavic 2 PROの20万円には手が届かない方にとっておすすめです。
後ほど後述しますが、映像性能、飛行性能ともに上位モデル『Mavic2 PRO』を上回るスペックもたくさんあります。
Mavic Air2の『価格』は?
- 単品:105,600円
- フライモアコンボ:132,000円
他機種と価格・サイズ感を比較
Mavic Air2 | 単品:105,600円 フライモアコンボ:132,000円 |
---|---|
Mavic 2 PRO | 単品:197,560円 |
Mavic Mini | 単品:46,200円 コンボ:59,400円 |
Phantom4Pro | 単品:207,680円 ディスプレイ一体型:243,320円 |
Mavic Air(初代) | 単品:84,700円 コンボ:105,050円 |
新しい『Mavic Air2』は10~13万円台で購入できる最新のドローンですね。
価格は、Mavic MiniとMavic 2 PROのちょうど中間くらいの立ち位置になります。
【デザインとサイズ感】手のひらサイズ
重量とサイズ | |
Mavic Air2 | 重量:570g 折りたたみ時:180✕97✕84mm 展開時:183✕253✕77mm |
Mavic 2 PRO・ZOOM | 重量:905g 折りたたみ時:214×91×84 mm 展開時:322×242×84 mm |
Mavic Mini | 重量:199g 折りたたみ時:140×82×57 mm 展開時:245×290×55 mm |
Phantom4Pro | 重量:1388 g 289.5 × 289.5 × 196 mm |
Mavic Air(初代) | 折りたたみ時:168×83×49 mm 展開時:168×184×64 mm |
パッと見のデザインは『Mavic Mini』にそっくりです。
実際の大きさはその一回り以上大きく、Mavic 2 PROよりコンパクトです。
重量は『570g』ですので、Mavic Mini『199g』の2倍以上の重さです。
重量がある分、風に対してパワフルにフライト(最大風圧レベル5)してくれます。
Mavicシリーズを並べてみると大きさがよくわかる
写真左から、Phantom4Pro・Mavic 2 PRO・Mavic Air2・Mavic Mini
並べてみると大きさの違いがわかりますよね。
Mavicシリーズの魅力はコンパクトで持ち運びに便利ですよ。
プロポのデザイン一新!より持ちやすくなった!
デザインの大きな変化として、ドローン本体よりも『プロポ(コントローラー)』の変化が気になりますよね。
従来のMavicシリーズよりも大きいプロポになりました。
なぜこのデザインになったかというと、飛行時間が最長34分となり長時間操縦するためにより持ちやすいデザインを追求した結果だそうです。
スマホはプロポ上部に設置
またモニターとなる『スマホ』もプロポ上部に固定するスタイルになりました。
こちらもよりスピーディーにセッティングするための設計になっております。
従来のMavicシリーズのプロポと比較
プロポのサイズ感の比較です。
プロポは一回り大きくなりましたね。
スティックも長くなった!
一見すると従来モデルと同じに見える『スティック』部分も少しだけ長くなってます。
収納式のスティックで、運用時にネジ式にはめ込む形になります。
【カメラ性能】最大4K60fpsで撮影可能
動画性能|4K60fps撮影可能
映像性能 | |
Mavic Air2 | 4K60fps HDR4K30fps FHD240fps:スロー撮影 |
Mavic 2 PRO | 4K30fps |
Mavic Mini | 2.7K30fps |
Phantom4Pro | 4K60fps |
Mavic Air(初代) | 4K30fps |
一番の特徴はやはりカメラ性能でしょう。
従来のMavicシリーズでは、『4K30fps』まででしたが、『Mavic Air2』では、『4K60fps』で撮影が可能になりました。
これを待ち望んだ方も多かったことでしょう!
Mavicシリーズ初の『4K60fps』で撮影可能!
センサーサイズ|1/2インチ CMOS
センサーサイズ | |
Mavic Air2 | 1/2インチ CMOS |
Mavic 2 PRO | 1インチCMOS |
Mavic Mini | 1/2.3インチ CMOS |
Phantom4Pro | 1インチCMOS |
Mavic 2 ZOOM | 1/2.3インチCMOS |
DJIドローンのカメラセンサーサイズの比較になります。
『24mm』の広角レンズでワイドに撮影
画角 | |
Mavic Air2 | 24mm |
Mavic 2 PRO | 28mm |
Mavic Mini | 24mm |
Phantom4Pro | 24mm |
Mavic 2 ZOOM | 24mm-48mm |
Mavic 2 PROでは『28mm』でしたが、『Mavic Air2』では24mmとより広角なレンズになりました。
人それぞれ好みは分かれますが、風景を広くダイナミックに撮影するには、『24mm』の方がワイドに撮影できますよ。
『NDフィルター』
カメラのレンズ部分は取り外すことができます。
NDフィルターの付け替えができるようになってます。
よりよい空撮映像を撮影するためには、光の量を調節できるNDフィルターは必須ですね♪
Mavic Air2+PolarproのNDフィルター
【動画作例】Mavic Air2の空撮映像(順次公開予定)
【動画作例①】4K60fps
各種機能や実際の空撮映像がありますので、一度ご覧ください。
【動画作例②】HDR動画撮影可能
『クアッドベイヤーフィルター』により、『HDR』で動画や写真撮影することができます。
『Mavic Air2』のHDR機能は3つあります。
- HDR動画
- 写真
- パノラマ写真
特に『HDR動画』機能があるのは『Mavic Air2』のみになります。
FHD240fpsのスローモーション撮影
- FHD240fps
- FHD120fps
スローモーションは最大で240fpsで撮影することができます。
撮影設定は、『DJI Fly』のアプリから行うことができます。
ハイパーラプス映像撮影可能
- フリー
- サークル
- コースロック
- ウェイポイント
『Mavic Air2』には、4種類の『ハイパーラプス』機能が搭載されております。
『DJI Fly』のアプリ上から設定~撮影まで行ってくれます。
さらにアプリ上で撮影した写真をつなぎ合わせてハイパーラプス動画の作成もしてくれますので、かなり便利です。
4Kで2倍のデジタルズーム可能
4Kの2倍デジタルズーム撮影ができるようになりました。
こちらを活用することで、映像表現に幅を持たせることができます。
8Kのハイパーラプス映像が撮影できる
驚異的なことに『8Kでのハイパーラプス映像』の撮影が可能になっております。
有効画素数の高い連続写真により素晴らしい性能になりました。
Mavic 2 PROの空撮映像
Mavic Miniの空撮映像
Mavic 2 PROとMavic Miniの空撮映像を掲載しておきます。
Mavic Air2は最大48MPで撮影可能
最大「48MP」で撮影
拡大してもしっかり写る
Mavic Air2のカメラは最大『48MP』でのハイダイナミックレンジでの写真撮影が可能になりました。
拡大しても細部まで綺麗に撮影することができます。
通常は12MP、アプリから48MPに切り替え可能
Mavic Air2は通常写真を撮影すると『12MP』で撮影できます。
48MPで撮影を行いたい場合は、アプリ画面から撮影モードを切り替えれば大丈夫です。
パノラマ写真の撮影
- スフィア(360度写真)
- 180度
- 広角
- 縦長
4種類の個性的な写真撮影を行うことができます。
こちらもアプリ上で簡単に編集してくれるので、便利ですよ。
各ドローンとの写真解像度を比較
写真解像度 | |
Mavic Air2 | 12MP 48MP |
Mavic 2 PRO | 20MP |
Mavic Mini | 12MP |
Phantom4Pro | 20MP |
Mavic 2 ZOOM | 12MP |
各ドローンの有効画素数の比較です。
『Mavic Air2』が頭一つ抜き出ましたね。
その他のドローンの写真作例
ドローンを使うことで360度好きな場所にカメラを置くことができます。
空撮写真は今までにない写真構図を生み出しますね。
【バッテリー】最長34分飛行可能
飛行時間も従来のDJIドローンより頭ひとつ抜きん出ました。
最長34分。
バッテリー残量は30%未満になる前には帰還された方が安全運用上いいですので、実運用時間25分程度飛行できる計算になります。
これまで5フライトほどしましたが、34分の飛行時間は従来のMavicと比較してもかなりバッテリー持ちが頼もしいです。
飛行前にはセルバランスのチェックを!
Mavic Air2は『3セル』です。
ドローンを飛行させる前のチェック項目として、この3セルの電圧のバランスをチェックしておきましょう。
電圧のバランスに大きなズレがないか見る習慣をつけておくと、より安全なフライトを楽しむことができます。
【最大風速抵抗レベル5】Mavic 2 PROと同レベルでパワフル飛行
- 疾風
- 風速抵抗:8.0〜10.7m/s
- 葉のある灌木が揺れ始める。
- 水面に波頭が立つ
頼もしいのは飛行性能です。
『最大風速抵抗レベル5』で、Mavic 2 PROと同レベルの飛行性能を誇ります。
Mavic Miniと初代Mavic Airと比べると非常にパワフルな飛行性能を誇ります。
Mavic 2 PROに関しては、これまで500回以上フライトさせてきました。
かなりの強風下でも運用してきましたが、これまで一度も風に負けたことなく飛行してくれており、頼もしいレベルで安定飛行してくれます。
フォーカストラック
- アクティブトラック3.0
- スポットライト2.0
- POI3.0
フォーカストラックは、上記3つの高度なトラッキング機能を組み合わせたものになります。
アクティブトラック3.0
被写体を自動で追跡する『アクティブトラック』もMavic Air2でワンランク上に進化しました。
障害物を避けながら被写体を追跡して飛行します。
さらに被写体を見失った場合、再補足する機能も大きく向上しております。
スポットライト2.0
カメラを被写体にロックオンしたまま自由に飛行することができます。
POI3.0|ポイントオブインタレスト
ポイントオブインタレストは、高度な位置測定技術で『Mavic Air2』を固定点の周りで自動旋回させながら、カメラは被写体の中央を捉えたままにすることができる機能になります。
『POI3.0』では、新しく
- 人
- 車
- 船
など動く被写体も認識できるようになりました。
【映像伝送システム】Ocusync2.0
上記は『DJIのホームページ』より伝送システムが明記されているものをピックアップして図にしたものになります。
いろんなドローン操縦士の方にも聞きましたが、映像伝送が安定しているのは以下の順番になります。
Mavic Miniや初代Mavic Airは『拡張Wi-Fi』でしたが、『Mavic Air2』では『Ocusync2.0』となりました。
【まとめ】価格と性能のコスパが抜群
- Mavicシリーズ初の4K60fps
- HDR動画撮影はDJI初
- 飛行時間:34分と最長
- 静止画:4800万画素
- アクティブトラックが進化
- 伝送システムが最強のOcusync2.0
というわけで『Mavic Air2』のまとめです。
Mavic MiniとMavic 2 PROのちょうど中間の価格帯でありながら、2020年最新の機能が詰め込まれてます。
映像性能として、Mavic 2 PROより上回る部分もあります。
価格差を見比べてるとそのコストパフォーマンスに驚くと思います。
Mavic Miniで空撮にハマリ、よりよい映像性能を追求したい方におすすめできるドローンといえるでしょう。
また空撮業務を生業としている方にとって、Mavic 2 PRO・Phantom4Proの予備機として用意するのもおすすめです。