DJIドローンを操縦する上で知っておくべき電波と伝送システムについて
ドローン本体とプロポは『電波』でつながっている
どうもDRONE WALKER(ドローン ウォーカー)編集長の吉武穂高です。
以前『MavicAIR』を購入した時、友人と一緒にドローンのフライトを行いました。
友人は『Mavic2PRO』を使っており、同時に2台飛行させていたのですが、その友人がプロポを持って近づてきた瞬間、MavicAIRの映像を映した画面が真っ暗になりました。
その時、友人の『Mavic2PRO』の画面は通常通り表示されておりましたが、こちらは真っ暗。
初めはたまたまだと思いましたが、ちょっと友人と距離を置いたところ画面のブラックアウトから復活!
もちろん映像画面が見えなくてもドローン自体は問題なく操縦できたのですが、もし目視外までドローンを飛行させていたかと思うとゾッとする出来事でした。
その時、どうも同じDJIのドローンでも機種によって『電波の伝送システムにも強い・弱い』があることを実感しました。
そこでいろいろと調べた結果、DJIのドローンでも機種ごとに伝送システムに違いがあり、その強弱があったので、ご紹介していきます。
ドローン本体とプロポは電波で繋がっている
まずは基本的な部分の確認からいきます。
ドローン本体とプロポ(コントローラー)が電波によって繋がっております。
DJIなど多くのドローンはスマホやパソコンと同じ『2.4GHZ』帯の電波が使われている場合が多いです。
この電波を通じて、ドローンの操縦を行ったり、画像転送によりリアルタイムで空撮した映像を確認することができるのです。
意外と知らないプロポのアンテナの向きに注意
プロポに付属しているアンテナ。
ここから電波が出ていることを知っている方も多いと思います。
しかし、多くの方はこのアンテナの先端から電波が出ていると思うかもしれませんが、アンテナの平面から電波が出ています。
イメージは上の写真のようなイメージです。
目視で確認しやすい100mの範囲内であれば、電波が切れるといったことは起こりにくいですが、1km先といった長距離目視外になってくると画像伝送などから乱れやすくなります。
そのため、アンテナの向きは常にドローンの飛行している方向に向けるといいです。
その場で上昇させる場合は、アンテナをそのまま立てる
300m程度の近距離であれば、そこまで効果を実感することはないですが、1km超えで画像伝送が乱れやすくなる距離の場合、その効果を実感できます。
もし長距離飛行させた時、モニターに画像が表示されなくなったら、慌てずにプロポのアンテナの向きを調整してみると映像が復活しやすくなります。
あまり神経質に常にアンテナの向きを気にしすぎなくても大丈夫ですが、あってもいい知識だと思います。
伝送距離は設定上、2〜4キロ先となっておりますが、それはあくまで気象やロケーションなど周囲の条件が良い時になります。
ドローンと操縦者の間に建物や山などを挟むと、近距離でも伝送が途切れることがあります。
アンテナブースター
また電波そのものは『直進性』が強いため、アルミ製の単純な『アンテナブースター』でも電波の補強を行うことができます。
効果については人それぞれ賛否があります。
電波の特性について
上記は『NTTDocomo』様から画像を引用させていただきましたが、その特性について詳細に知りたい方はそちらのHPを見ていただけるとよりイメージを掴んでもらいやすいのかなと思います。
DJIドローンの映像伝送システム
上記は『DJIのホームページ』より伝送システムが明記されているものをピックアップして図にしたものになります。
いろんなドローン操縦士の方にも聞きましたが、映像伝送が安定しているのは以下の順番になります。
Mavic2 > Phantom4Pro(旧型)> Inspire2 > MavicAIR
という印象です。(思いっきり主観も入ってますが・・・(⌒-⌒; ))
旧Phantom4Proやマトリス200などがどういう伝送システムだったかご存知の方はコメントしていただけると助かります。
【Ocusync2.0】Mavic2PRO・ZOOM
製品名 | Mavic 2 PRO(マービック2プロ) |
---|---|
価格 | 192,000円(税込) |
機体重量 | 905g |
カメラ | ハッセルブラッド |
動画 | 4K30fpsで撮影可能 |
静止画 | 2000万画素 |
センサー | 1インチセンサー |
特徴③ | 全方向障害物センサー |
飛行時間 | 最大31分 |
最高時速 | 72㎞/h |
URL | https://store.dji.com/jp/product/mavic-2 |
2018年8月23日『Mavic2PRO』が登場し、さらに強力な『Ocusync2.0』が登場しました。
こちらは今まで最強の伝送システムになっております。
映像・飛行性能も優秀ですが、伝送システムでも非常に頼りになります。
【拡張Wi-Fi】『Mavic Mini』『MavicAIR』
発売 | DJI |
---|---|
製品名 | MavicAIR:マビックエア |
価格 |
|
重量 | 430g |
最高時速 | 時速68.4km |
飛行時間 | 最大21分 |
映像 |
|
静止画 | 1200万画素・HDR(ハイダイナミック)写真 |
特徴 | 8GB内部ストレージ |
公式サイト | https://store.dji.com/jp/product/mavic-air |
2018年に発売された『MavicAIR』は『拡張Wi-Fi』の映像伝送方式を使用しております。
通常のWi-Fiの電波をさらに増幅して使用するシステムになっています。
個人的に最も電波干渉の影響を受けやすいと感じております。
以前別記事でも紹介しましたが、
- MavicAIR
- Mavic2PRO
の2択で悩む時、
長距離飛行させる時に伝送状況が『Ocusync(オキュシンク)』で長距離飛行でも安心できる『Mavic2』がおすすめかなと思います。
Phantom4ProV2.0もOcusyncに!
冒頭でも紹介しましたが、MavicPROの『Ocusync(オキュシンク)』が強すぎて、電波干渉を起こしたと実感しました。
2018年になって『Phantom4Pro』もモデルチェンジにより『V2.0』になりました。
そこで使用される伝送シズテムは『Ocusync(オキュシンク)』になったことをPRしていたので、やはりこの伝送システムが一番使い勝手がいいのだと思いました。
これまで使用してきた中で最も安定した映像伝送システムがMavicPROで採用されている『オキュシンク』でした。
Phantom4Proも『V2.0』になった時、『Ocusync(オキュシンク)』に変更されたように、業務活用する上で最も安定したものだと思ってます。
事実Phantom4Proも『V2.0』になった時、映像伝送方式を『Ocusync』にしていることからDJIもそのことを認識していることが伺えます。
Inspire2の『Lightbridge』
- 価格:389000円(X4S)
- 価格:799000円(X5S)
- 飛行時間:25〜27分
- 最高時速94km/h
- 5.2K動画撮影
- RAW撮影可能
Inspire2(インスパイア2)やマトリス600・旧Phantom4Proは『Lightbridge(ライトブリッジ)』という伝送システムを使っております。
こちらは主に産業用ドローンで使われている伝送システムで、高画質な映像を広い範囲で伝送するシステムになっております。
1080p/60fpsのビデオ出力や720p/59.94fpsや1080i/50fpsの放送基準出力に対応してます。
詳しくは『DJI Lightbridge 2』のページを見ていただいた方がいいと思います。
【まとめ】ドローン選びの指標にひとつに
というわけでD JIドローンの伝送システムについてご紹介させていただきました。
この辺りは私自身も専門家ではないためまだまだわからないポイントも多いのですが、随時追記修正していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
(逆に修正ポイントなどありましたらコメントいただけるとたすかります。)