ドローンの目視外飛行と夜間飛行について【二等ライセンス座学】
この記事は「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の「4.2 無人航空機の機体の特徴(機体種類別)目視外飛行と夜間飛行」についてわかりやすく解説した記事になります。
ドローンの目視外飛行とは?
①目視外飛行と目視内飛行の違い
目視外飛行とは文字通り、ドローンの機体本体を直接視認できない環境で飛行させることを言います。
目視外飛行では機体の状況や、障害物、他の航空機等の周囲の状況を直接肉眼で確認することが
できません。
そのためドローン本体に設置されたカメラや位置情報、速度、異常等が状態を把握することが必要になります。
②ドローンを目視できるのは300mくらいまで
個人差はありますが、ドローンを目視で視認できるのはだいたい300mくらいまでです。
例え100m未満、近い距離でも目を離すと一瞬でドローンを見失ってしまいます。
ドローンを目視し続けるのは、結構難しいです。
③目視外飛行のために必要な装備
目視外では補助者の配置、そして周囲の安全を確認ができる場合に必要な装備となります。
また補助者が配置できない場合、安全を確認できない場合は更に必要な装備が追加されることになります。
④補助者がいる場合の必要装備
- 自動操縦システムを装備
- 機体外の様子が監視できる機体
- 搭載カメラ機体の高度、速度、位置、不具合等状況を地上で監視できる
- 不具合発生時に対応する危機回避機能(フェールセーフ機能)。
- 電波断絶時の自動帰還や空中停止機能
- GNSS電波異常時の空中停止や安全な自動着陸、電池異常時の発煙発火防止等の機能がある。
⑤補助者をいない場合の必要装備
- 航空機からの視認性を高める灯火、塗色
- 機体や地上に設置されたカメラ等により飛行経路全体の航空機の状況が常に確認できるもの
- 第三者に危害を加えないことを、製造事業者等が証明した機能
- 進路、姿勢、高度、速度及び周辺の気象状況等を把握できる操縦装置
- 計画上の飛行経路と機体の位置を把握できる操縦装置
補助者がいない分、必要な追加装備は多くなります。
ドローンの夜間飛行とは?
①夜間飛行と日中飛行の違いは?
- 日中:日の出~日没まで
- 夜間:それ以外
航空法では原則としてドローンは日出から日没までの間において飛行させることが原則です。
これ以外は夜間飛行となり、もし夜間飛行させる場合、国交省への承認が必要です。
日出と日没の時刻は地域や季節によって異なります。
そのためドローンを運用する場合、事前にその時間を確認することが必要です。
夜間飛行は目視でドローン本体や向きが視認できません。
そのため「灯火」を搭載した機体が必要になります。
日没直後はまだ視認できる場合がほとんどですが、完全に日が沈むとドローンの視認は極めて難しいです。
日中飛行に比べると、ドローンの運用難易度は格段に高いことを理解しましょう。
ぶっつけ本番で夜間業務に挑むと大変危険です。
必要に応じて、夜間飛行の訓練を充分に行うことをオススメします。
また操縦者の「送信機:プロポ」で位置、高度、速度を把握できることが望ましいです。
実際、いくらドローン本体を灯火で目立たせることができても、送信機で機体の位置情報やカメラがないと正確に機体をコントロールすることは至難の業です。
夜間飛行は、ドローン本体の視認性だけでなく、現場の地形や建物、障害物などを視認することが難しくなります。
離着陸地点や計画的に用意する緊急着陸地点、飛行経路中の回避すべき障害物も視認できるように地上照明も有効に活用しましょう。
ドローンに搭載されたビジョンセンサーも夜間に対応しない機種もあります。
そのため「障害物探知機能」が機能しない場合もあります。
姿勢制御が機能するなど、安全機能が使用できないことを想定してドローンを運用しましょう。
②夜間飛行のために必要な装備
夜間飛行のための必須装備として、無人航空機の姿勢及び方向が正確に視認できる灯火装備が必要です。
ドローンによっては初期装備で灯火機能を有しているものもありますが、後付けでLEDなど装備させる場合もあります。
ただしドローンの飛行範囲が地上照明等で十分照らされている場合は、灯火なしでも大丈夫です。
続いての学習項目は「ドローンの飛行原理」になります。
こちらの記事をご覧ください。